最果て

最果てのパラディン

 異世界転生ファンタジーモノ。幼いうちから凄腕の戦士と魔法使いと敬虔な神官に育て鍛えられた主人公が世界を旅して回る――と説明すると、ひと山幾らのありふれたテンプレ作品にしか見えない。その要約は間違いではないけれど、それよりむしろ、古典的なハイファンタジー、と評した方が適切。悪なる神の部下による破壊で一気に文明が衰退した世界。廃墟となった都市でスケルトン・ミイラ・ゴーストの不死者3人に育てられた主人公は、神に誓った使命を果たすべく、世界へ出て行き奮闘する。という典型的な英雄譚。

 雑に言うと、なろうっぽくない重厚な古典的ハイファンタジー。2章以降は軽めになるけど。そこに異世界転生ぶちこむことで、流行り要素とちょっとしたアクセントを加えつつ、簡便な説明を可能にしたってとこかな。転生も、知識チートとかそこらへんはなくて、主人公の動機付けって部分がほとんどだし。普通にラノベでありそうというより、ハードカバーの単行本で出てそうな感じ。現行4章計131話。

 

 そういや、神々とか祝祷術――神聖魔法なんかが一番わかりやすいけど、もろにソード・ワールド2.0を参考にしてるような気のせいかな気のせいじゃないよね。いやまあ狭い知識の範囲にたまたま引っかかっただけなんだけど。そういう視点で――SWの世界観を借りた二次創作として、読むのも面白い。Lv14の神官戦士でソーサラー・コンジャラー・エンハンサーも高Lvで持ってると。……って、書籍化でイラストレーターがSW2.0の表紙と同じ人ね、ハイ、それはまたなんとも結構なことで。