七日

彼女と彼女と私の七日

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 同人サークルLilies Projectによる無料公開のエロゲ*1

 お話の筋自体は、腹を割って話すことで過去のトラウマ的なものが払拭されたり仲が深まったり、騒動を乗り越えなんやかんやで成長しました、今日からまた前向きに進んでいきましょう、未来は明るいぞー!といった感じのよくあるタイプ。無難というか、やや説教くさくてまあありきたり。

 が、正直そこはどうでもよくて、特筆すべき点は他にある。

 

 この作品を一言で表すとしたら、「正しい」百合普及作品、かなあ。

 あらすじとして言い直すなら、異性愛者だった主人公が、同性の相手への恋心を自覚して結ばれる話。それだけなら似たような作品も多数あるのだろうきっと。ただし、上で「正しい」と評したところがミソ。同性愛が「アリエナイ」ものや「おかしい」ものや「キモチワルイ」ものとして描かれているわけでもなく、だからこそ「悖徳感」があってそれがいいと描かれているわけでもなく、ごく自然に性別など関係なく、ただ恋を自覚することを描いている。一見普通に見えるけど、これはちょっと特異な作品なのではないだろうか。とりたて百合モノに造詣が深いわけではないのでなんともだが*2。一応、恋心を自覚してから(社会的に)マイノリティとなることの葛藤を覚えるようなシーンはあった、と思う。が、それはあって然るべきかと。

 異性愛を「NL」ジャンルと表現したり、あるいは「ノーマル」という用語を使ったりすることに、抵抗があるという人にはお薦めできる内容。というかNLとかノーマルとか使うのやめようよマジで。使ってる人にイチイチ噛み付いてくほど頭のネジが飛んでないし会話じゃさらっと流してしまうだろうけど、それでも個人的には心がけているし一応たまには片隅で主張しておこうかと。

 

 手軽な百合入門で布教用としては非常に有用。無料公開というのが更にドン。プレイ時間は公式曰く、ボイス全部聞いて10時間、飛ばして6~8時間とのこと。4時間半で読んじまいましたが。

 以下、蛇足とか萌え語り。

 科学とは別の学問体形となるほどに魔法が認知された世界という設定なわけだが、これどーなんでしょうね。確かに話の筋に絡んではいるけれど、普通の現代世界でもどうにかなりそうな程度でしかなかったような。こういった設定は嫌いではないというかむしろ好物なので、もっとがっつり掘り下げて、ストーリーと不可分な形で見たかったというのが本音。まあそれやっちゃうと超大作になっちまうが。

 一押しキャラは万理乃。ほぼ初対面なのにこの毒舌。批判的な感想もあるみたいだけど、キャラと喋り方とがよくあってると思う。確かにプロの声っぽさはないが。

*1:終盤にルート分岐の選択が1つあるだけのほぼ一本道。

*2:男性がほぼ登場せず女性同士でくっつくのが当然みたいな某ジャンルとか某ジャンルでは、同様のものをそれなりに読んでる気もする。がまあ別の話だね。

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