ダンジョン運営

やる夫のダンジョン運営記

 「現代ファンタジー」モノ――という定義が適切なのかは知らないし、もっと明確に定義する区分があるのかもしれないが。魔法とモンスターのある中世ファンタジー世界観をベースに、魔法なんかが非主流になって科学が発展しての現代。基本的に現代ベースで、神と悪魔とかモンスターとか亜人とか魔法なんかが存在する世界。そこらへんが一般的な存在だから「現代異能」とはたぶん別物。

 

 大学生のやる夫が家族経営でダンジョン運営をする話。……なんだけど、説明が難しいなあ。

 冒険者という存在は、ややマイナーなレジャーやスポーツである。ダンジョンに潜り、モンスターを倒し、お宝を手に入れる。しかし、モンスターが人間と敵対しているわけではない。いわばお化け屋敷のお化け――スタッフ側の存在。人間を喰らわず、代わりにエネルギーを吸い取ることで存在している。ダンジョンの住人であるとともに、ダンジョンのモンスターという職業についている、そういう構図。レジャーであると述べたように、ダンジョンは民間や公営によって営まれている娯楽施設の一種。ダンジョンを経営するオーナー(人間)がいて、従業員の一部がモンスター。

 で、こういった説明をすると内政・経営モノっぽいんだけど……あまり内政モノでもない。神と悪魔とモンスターと人間と因果が巡り会って神々の戦い、とか最終的にはそういう次元でのバトルモノ。それはそれでスケールが大きくていいんだけど、各種神話を知っていないとイマイチ楽しめないのと、経営要素が少ない。スタッフ教育なんかの地盤固めとかダンジョン業種の経営的なアレコレとか、地味な部分かなりすっとばして、運営自体はいつの間にか大成功で省略されるとか。タイトル詐欺とまでは言わないが、タイトル・導入の展開と、メイン要素がちょっと違うかなー思ってた話と全然違うなー感。おまけで、登場人物多すぎ、裏設定多すぎ、説明・描写があまり(読者に)丁寧でない、ってのを除けば面白いんだけども。世界観とか特に。まあ丁寧にじっくり話を進めたら分量何倍になるかわからんけどね。